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名古屋駅~栄間を結ぶ「SRT」の運行開始日が2026年2月13日に決定!名古屋の新たな交通システムの運行ルート・本数・料金は?【まとめ】

名古屋市では、連節バスを用いた新たな路面公共交通システム「SRT(Smart Roadway Transit)」の導入を準備中。2025年度中の運行開始を目指し、名古屋駅~栄間で停留所設置工事をはじめとした準備作業が進められています。

名古屋駅・ミッドランドスクエア前でもSRT条項停留所の工事を準備中(ナゴヤトコトン撮影)

SRTを推進する名古屋市交通事業推進課は、10月24日に開催された名古屋市地域公共交通協議会地域公共交通部会において、名駅-栄系統の運行開始日を含む運行内容等について報告。名古屋駅~栄間におけるSRTの運行開始予定日を「2026年(令和8年)2月13日」とすることが発表されました。

この記事では、同部会での報告資料に基づき、名古屋市内中心部の新たな足となるSRTについて、運行ルートや本数、乗車料金などをまとめてご紹介します。

そもそも「SRT」とは?

名古屋市が現在整備を進めている「SRT(Smart Roadway Transit)」とは、”都心における回遊性の向上や賑わいの拡大を図るため、まちづくりと一体となった新たな路面公共交通システム”とのこと。車両には、バスが2台連なったような形をした全長約180mの連節バス(ダイムラーバス社製)を用い、定員ベースで122名の乗客が一度に乗車できるになっています。

名古屋駅~栄~名古屋駅間に7ヶ所のSRT停留所を設置

SRT第1弾となる名駅-栄系統は、名古屋駅~栄間を周回する形で7ヶ所の停留所を設置。これまでは地下鉄の駅と駅の間となっていた「納屋橋」「本町通(広小路本町)」へのアクセスしやすくなるように計画されています。また、名古屋駅エリアは市バスターミナルではなく桜通沿い(桜通豊田ビル付近)とミッドランドスクエア前の2ヶ所にSRT停留所が設置されるのも特徴です。

一方で、地下鉄伏見駅付近にはSRT停留所が設置されないのも大きなポイント。地下鉄東山線とSRTがお互いに補完しあう形となり、現在大変混雑している東山線名古屋駅~栄間の乗客を分散させる効果も期待されています。

一部の停留所は「テラス型」として設置

また、名古屋駅桜通・名古屋駅の2ヶ所を除くSRT停留所は「テラス型」として整備。歩道を車道側へ拡幅して他の車両が駐停車できないようにするとともに、より乗降しやすい形に整備することで、定時運行(正着性)を高める工夫が行われます。

当初は金土日月+祝の9時台~17時台に、全12便を運行

2026年2月のスタート時点では、週末をはさんだ金・土・日・月曜日の週4日と祝日にSRT運行を予定。9時台から17時台にかけて45分~1時間に1本程度のペース、全12便で運行が行われる計画となっています。

報告資料によると、名古屋駅から栄へは約15分、逆方向の栄から名古屋駅桜通へは約18分での結ぶ模様。地下鉄東山線は名古屋駅-栄駅間を5分で結んでいるためやや時間がかかるようにみえますが、駅ホームへの上り降りなどが生じることを考えると、行き先によっては同等以上の便利さがあると思われます。広小路本町・納屋橋エリアから栄や名古屋駅方面へ向かう場合には、確実にSRTが便利です。

乗車料金は「市バス」と同等 1日上限500円で乗れる「タッチ決済上限運賃」設定やQR一日乗車券も登場

SRT名駅-栄系統の普通運賃は大人210円・子ども100円に設定。SRTは名鉄バスが運行を担当することから、障害者手帳等割引・敬老パス・福祉特別乗車券制度などは「名古屋市内で名鉄バス利用した場合」に準じる取り扱いとなるとのことです。名古屋市の敬老パスや福祉特別乗車券を利用する場合には、乗車時にいったん運賃を払った後、後日乗車運賃が返却精算となります。

「タッチ決済」での運賃支払いに対応 

今回導入されるSRTでは現金や交通系ICカードの他、クレジットカード等のタッチ決済による運賃支払いにも対応。運賃は前払制で、乗車時に運賃箱やリーダーを用いて支払う形となります。

また、全長180mある連節バスで運行されるSRTは、乗降の利便性を高めるために「全扉乗降方式」を採用。交通系ICカードやタッチ決済、QR企画乗車券(QR一日乗車券など)を利用する場合には、全ての扉から乗車できるようになります

一方、現金での乗車や、障害者手帳等を提示して割引を受ける場合、タッチ決済での子ども・複数人乗車を行う場合など、運転士の確認が必要となる場合には前扉からの乗車となりますのでご注意ください。

「タッチ決済」なら1日500円が上限に!1日500円の「QR一日乗車券」も登場

タッチ決済の導入に伴い、SRTでは「タッチ決済上限運賃設定」を実施。SRTに複数回乗車した場合の1日の最大運賃が大人500円・子ども250円となり、以降はタッチのみで乗車できるようになります。なお、タッチ決済で複数人まとめて決済を行う場合には1人のみが上限対象となり、2人目以降は通常運賃が適用されるためご注意ください。

また、名鉄のMaaSアプリ「CentX」のQR一日乗車券の販売も予定。大人500円・子ども250円でSRTが1日乗り放題となります。QR一日乗車券はMaaSアプリ上でのクレジットカードまたはPayPayでの事前決済で購入可能です。名鉄や堀川クルーズなどのセット券も計画されているのとのことです。

なお、名古屋市の担当部局に問い合わせたところ、名古屋市交通局が発売する「バス全線一日乗車券」「市バス・地下鉄一日乗車券」「ドニチエコきっぷ」については、残念ながら「SRT」では利用できないとのことでした。(2025年10月31日追記)

名古屋都心部をますます面白く盛り上げる新交通システム「SRT」。2026年に大きな注目を集めることでしょう。

※この記事は2025年10月24日に発表されたR7名古屋市地域公共交通協議会地域公共交通部会資料(SRT)に基づいています。画像はナゴヤトコトンが撮影したものを除き、同資料を引用しました。SRTの詳細及び最新情報については、名古屋市公式Webサイトにてご確認下さい。

名古屋市:新たな路面公共交通システムSRTの導入に向けて Smart Roadway Transit(市政情報)
都心部の回遊性の向上や賑わいの拡大を図るための、新たな路面公共交通システムの導入について
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ナゴヤトコトン編集長

ナゴヤトコトンの発起人兼編集長。名古屋を毎日面白がっているうちに「こうなったらトコトン面白がってやろう!」とノリと勢いだけでWebマガジン「ナゴヤトコトン」を立ち上げた模様。
名古屋と名古屋めしが何よりの栄養源。好きな金鯱は名古屋城の金鯱。

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