
以前の記事でもお伝えしたとおり、名古屋市中村区にある名古屋競輪場東側にBMX専用レーシングコース「NAGOYA KEIRIN BMX」がオープン。8月30日には開設式典とオープニングイベントが行われました。
「NAGOYA KEIRIN BMX」は、オリンピック競技にも選ばれている自転車競技の一つ「BMX」のコース。国際基準を満たした常設型のBMX専用レーシングコースとして整備が行われ、将来のメダリスト・トップレーサーを目指すアスリート育成の拠点なる他、2026年に名古屋で行われるアジア大会のBMX競技会場としても利用予定となっています。
8月30日に行われたオープニングイベントでは取材陣や一般来場者を対象としたコースウォークも開催。この記事では、名古屋に新たに誕生したBMX専用レーシングコースの全貌をまとめてご紹介します。
アクセス抜群の”都市型”BMX専用レーシングコース
「NAGOYA KEIRIN BMX」が誕生したのは、名古屋市中村区・中村公園界隈にある名古屋競輪場の東側に隣接したブロック。地下鉄東山線『中村公園』駅から徒歩10分程度、名古屋駅からもアクセス良好な”都市型”BMXコースとして整備されました。

従来のBMXコースはオフロード競技として行われていたこともあり、多くのコースが山あいなどの都市部から離れた場所にあることが多いとのこと。「NAGOYA KEIRIN BMX」のように都市部の住宅街の中に常設のBMXコースが設置されるのは日本では非常に珍しく、アクセスの良さを活かしてより気軽にBMXを楽しめるのが大きな魅力の一つとなっています。
敷地内にはクラブハウスも新設。2階にはコースを見渡しながらゆったりと休憩ができるスペースもあり、練習に励むライダーたちの交流も進みそうです。


国際基準を満たした全長約330mのBMXコースがスゴイ!
「NAGOYA KEIRIN BMX」のコースは全長約330m。高さ5mのスタートヒルや「プロセクション」と呼ばれるハイレベルセクションも設置されるなど、国際大会の会場としても利用出来るスペックとなっています。
スタートヒル

BMXの見どころの一つがスタートヒルから一気に駆け下りながら行われる先陣争い。スタートで少しでも前に出ることが勝利に近づくために非常に重要と言われています。
「NAGOYA KEIRIN BMX」のスタートヒルは国際大会にも対応した高さ5mに設定。また、スタートヒルの背後には「大正天皇 お手植えの松」をはじめとした中村公園内の木々が緑のスクリーンとなっており、美しい景色を演出しています。

スタート設備ももちろん国際仕様。BMXでは、最大で8人のライダーがスタートゲートにタイヤを当てて並び、ゲートが倒れると同時に一斉にスタートしていきます。スタートが非常に重要となるため、合図から0.5秒~2秒の間でランダムにゲートが開くようになっているそうです。
ゲート下に続くスロープは下半分の斜度が急になった作り。これにより、いっそうスピードが出るように設計されています。

ジャンプ

「NAGOYA KEIRIN BMX」のコースは、スタートヒルと4本の直線、3本のカーブで構成。このうち直線部分は起伏が多数設置されており、起伏の形状などにより「ジャンプ」「ダブル」「トリプル」などと呼ばれています。
「NAGOYA KEIRIN BMX」の直線部分は石灰ダストと呼ばれる素材で舗装。遠目からはコンクリートのように見えますが表面はざらざらとしており、もともとは土のコースから誕生したBMXの競技性に合わせてダート感を残したものとなっているそうです。石灰ダストの舗装も国際大会への対応の一環となっています。

筆者も実際に起伏を登ってみましたが、助走を入れて勢いをつけなければ上がれないぐらいの急な角度にビックリ! 小さい頃に遊んだ「富士山すべり台」に登っていくような感覚がありました。

また、2本目の直線は一般に使用される「アマチュアセクション」の横に男子エリートのレースで用いられる「プロセクション」も併設。プロセクションは起伏の中央部分が舗装されておらず、フロントサイドからバックエンドに向けてジャンプして抜けていくことが求められます。

ちなみにプロセクションは、手前側のフロントサイドよりも、着地側になるバックエンドの方が高い構造。飛び越えるためには相応の高さが必要ですが、かといって高く飛びすぎてしまうとロスにつながるため、高度なテクニックが求められるそうです。

バーム

”バーム”と呼ばれるカーブの部分はすりばち状のバンクがついた構造。この傾斜を活用することでスピードを落とさずに曲がっていくことができます。とはいえ、大きく回るとタイムロスになってしまうため、いかにスピードに乗ったまま小さく回るかが勝敗の鍵を握ります。

「NAGOYA KEIRIN BMX」のバームはアスファルト舗装になっており、よりスピードに乗ったままの走行が可能。これからきっと激しいバトルが幾たびも繰り広げられていくことでしょう。
8月31日からは一般利用OK 初心者でも気軽にチャレンジできる「ライドテストプログラム」も随時実施
「NAGOYA KEIRIN BMX」は8月31日から一般利用がスタート。BMXレーシング経験者向けにレースコースを走行できる「フリーライドプログラム」の他、BMX未経験者・初心者が気軽に参加してトレーニングを積むことができる「ライドテストプログラム」も用意されています。
ライドテストプログラムはレベル1・レベル2の2種類
BMX未経験者や初心者とした初心者でも安全にステップアップできるように構成されたプログラム。レベル1・レベル2の2段階のプログラムがあり、レベル1ではスタンディング、止まる、曲がるといった基礎スキル習得から、乗車時の体重移動などを身につける応用スキル練習、さらにバンプトラックと呼ばれる練習用の起伏を使った走行練習などを通じて、BMXの基礎を学べます。

また、レベル2ではパンプトラックでの応用走行を行った後、実際のBMXレースコースを使用した練習も実施。最終テストとして「コース1周を自走で走り切る」ことを目標に、走行方法をレクチャーを受けられます。2つのプログラムでBMX特有の走行感覚を身につければ、フリーライドプログラムにも参加が可能です。
ライドテストプログラムではレンタルバイクを借りることができるため、気軽に参加できるのも大きなポイント。レベル1は体験料0円となっており、バイクレンタル費1000円だけで参加することができます(初回のみスポーツ安全保険加入費が別途必要)。
フリーライドプログラム
レースコースを走行できる「フリーライドプログラム」は、BMXレーシング経験者向けとして設定。大人は1日2000円から、大学生・高校生は1日1500円から、中学生・小学生以下は1日1000円からレースコースを利用して練習することができます。
また、フリーライドプログラムには、1ヶ月・半年・年間の利用パスプランも設定。週1回以上練習する方なら期間利用がお得です。

なお、フリーライドプログラムは経験者向けとなっているため、自身の自転車およびプロテクター類を用意する必要があります。新規会員登録・予約方法などの詳細はNAGOYA KEIRIN BMX予約サイトにてご確認下さい。

「NAGOYA KEIRIN BMX」では、2025年11月1日(土)・2日(日)には「2025アジア自転車競技選手権大会-BMXレーシング」を開催予定。2026年9月に開催される「第20回アジア競技大会」の競技会場としても仮決定しています。名古屋に新たに誕生した最先端の都市型BMXレーシングコース、ここを拠点に将来の金メダリストが誕生するかもしれません。
「NAGOYA KEIRIN BMX」の詳細や体験会などのイベント情報については公式インスタグラムにてご確認下さい。
NAGOYA KEIRIN BMXに行くには
NAGOYA KEIRIN BMXは名古屋市中村区にある名古屋競輪場東側に併設。地下鉄東山線『中村公園』駅から徒歩15分程度です。
