ナゴヤトインタビュー

ライバル2社が禁断のコラボ! イチビキ「献立いろいろみそ」&ナカモ「つけてみそかけてみそ」動画企画実現の経緯を担当者に直撃!!【インタビュー】

編集長
編集長

ガチンコライバルの2社がまさかのコラボ動画を公開!

名古屋人の冷蔵庫に必ず入っていると言っても過言でない調味料と言えば「チューブ入りの味噌だれ」。つけたりかけたりするだけでいろいろと使える、名古屋の食卓には欠かせない万能調味料です。

名古屋人が愛してやまない“チューブ入りの味噌だれ”といえば、ナカモ株式会社の「つけてみそかけてみそ」とイチビキ株式会社の「献立いろいろみそ」。名古屋のスーパーなら必ず隣同士に並んで陳列されており、時には“きのこたけのこ戦争”のように「どっちが好きか」で論争が起こるほど名古屋ではおなじみの存在です。そんなスーパーの棚を巡りしのぎを削り合うガチンコライバル。

そんなガチンコライバルのナカモとイチビキが、2024年6月にまさかのコラボ動画を公開!しかも動画には両社の社長が登場し、「話題のどっち派論争に対してぶっちゃけます」と直接対決!名古屋人としてはにわかには信じられないような驚きの企画が行われていました。

ナカモ・イチビキ社長の直接対談動画(ナカモ株式会社公式Youtubeチャンネルより)

そこで「ナゴヤトコトン」では、ナカモ・イチビキの両社の担当者にインタビュー。名古屋人なら誰もが驚くライバル2社のコラボ動画がどのように実現したのか、その真相に迫ります。

社長同士は実は仲良し!? コラボ動画企画のきっかけは「エゴサ」から

―― 今回名古屋人にとっては“きのこたけのこ戦争”並みのライバル関係ともいえる「つけてみそかけてみそ」のナカモ様と「献立いろいろみそ」のイチビキ様が共同で動画を作成・公開されたということに大変驚いております。
この企画はどちらからのご提案で始まったのでしょうか?

イチビキ 西様
イチビキ 西様

2022年4月からSNS担当となり、日々エゴサをする中で「つけてみそかけてみそ」「献立いろいろみそ」どっち派論争が東海地方のユーザーさんにより繰り広げられている投稿を多々見かけるようになりました。当然結果は気にしておりましたが、この論争によりユーザーさんの商品に対する熱い思いを知り、とても嬉しく感動し、これは何とかして地元で繰り広げられている論争をもっと面白く盛り上げることができないかと思うようになりました。

また同時に、「献立いろいろみそ」を普段から使っていただいているお客様でさえも商品名が「つけてみそかけてみそ」と混同されていることがSNSやアンケートで浮き彫りになり、この問題もなんとかできないかと考えておりました。

そこで思い切って競合であるナカモさんと企画を組むことで、商品の認知や注目を高めたい、その中で名古屋の味噌文化をもっと盛り上げたいと社長に掛け合ったところ「それじゃあ直接会ってミーティングをしよう!」と急ピッチでナカモさんとのお食事会が決まりました。
私は社長同士がここまで仲が良いとは知らなかったので戸惑いもありましたが、両社長の思い出エピソードや豆みそを広めたい、もっと多くの方に食べていただきたいという思いを聞き、そして一緒に何かできないか、やるならどんなことがいいかを考えることとなりました。

ナカモ 市川様
ナカモ 市川様

私も驚いたのですが、社長同士は以前から意外と仲がよくて、何度も食事を共にしていたようです。そのご縁もあり、イチビキの中村社長と広報担当の方から当社の杉本社長にお声がけがあり「4人でご飯行こうよ!」とお誘い頂きました。

その時は「あのイチビキさんと?しかも社長さんと?」とめちゃめちゃ驚きました。しかし、杉本社長から「他の会社の広報担当の方とお話することで勉強になると思うぞ」という言葉もあり、「是非行きたいです!」と即答しました。食事会は味噌料理屋だったのですが、中村社長が気さくにお話して頂きとても和やかな雰囲気でした。

食事会ではいろんなお話を楽しくさせていただいたのですが、その中でも『両社長の「豆みそ」愛&「豆みそ」の魅力をもっとみんなに伝える方法はないか。』という点で盛り上がり、「西さんと市川で形にする案を考えてみてよ!」ということに。その後何度か打ち合わせを経て企画していく形となりました。

イチビキさんには知り合いも多いので、訪問した際には「なんでナカモの市川さんがいるの?」と驚かれましたが、優しく出迎えてくださってホッとしました(笑)

―― 企画の内容はどのように考えていったのでしょうか?

ナカモ 市川様
ナカモ 市川様

「つけてみそかけてみそVS献立いろいろみそ」のように「どっち派!」というのが話題になる商品に対して、その競合企業がもしコラボしていたらどう思うだろうか、何をしたら面白いだろうかという点を考えながら企画を考えました。

社長同士もともと仲が良いと知ったこともあり最初は味噌屋の社長2人がオススメするお店を紹介する企画にしようと思ったのですが、客観的に考えてみると、競合している商品を持つ企業同士で急に仲良く企画が始まったら違和感が大きいし、なんでこの2社が?心の裏ではあまりお互い良く思ってないんじゃないの?と色々考えてしまうなと。

そこで、初めに社長お二人の「つけてみそかけてみそVS献立いろいろみそ」のリアルな本音を語ってもらう動画を作ってから、両社の社長がオススメのお店を紹介する「豆みそLoversの会」を配信していくことで、見ている方にリアルにこの2社って一緒に頑張ろうとしているんだ!というのが伝わるようにしたいと思いました。

豆味噌Loversの会シリーズ(イチビキ株式会社 公式youtubeチャンネルより)

―― 企画の提案を受けた際、率直にどう感じましたか?

イチビキ 西様
イチビキ 西様

いいですね!の即答でした。競合同士の社長が対談するコラボ動画なんて今まで見たことないですから。そして、ただ豆みそ料理が美味しいお店を紹介するだけでなく“味噌屋の社長おすすめ”のキャッチコピーも響きそうだなと。他がやっていないことに挑戦するのは面白いですし、とりあえずやってみよう!と勢いで乗ったところもあります(笑)

―― それぞれの会社でこの動画企画を社長に提案した際、どのような反応がありましたか?

イチビキ 西様
イチビキ 西様

中村社長は、杉本社長とは愛知県味噌溜醤油工業協同組合での理事長、副理事長の関係であり、もともとお付き合いも多々あったようで、一緒に何かやることに関して全く抵抗はない様子でした。

どうせやるなら楽しく面白くやりたいなと。世の中の味噌が減っており、豆みそも決して伸びているわけではありません。本来ならみそ汁で飲んでほしいですが、そこはハードルが高い部分もあるので、みその料理提案も必要不可欠と考えていました。身近な豆みそ料理を食べに行き、豆みそを使っているお店を広める、これを伝えるなら動画だよねと、快く提案を受け入れていただけました。

ナカモ 市川様
ナカモ 市川様

杉本社長からは率直に「それいいじゃん!」という反応を頂き、「豆みそLoversの会」という言葉も気に入っていただきました。

また、みそだれ食べ比べクイズをすることをお伝えしたところ「うわ~これ苦手なんだよ~」という反応がありました(笑)

―― コラボ動画を実際に制作して、発見したことや苦労したことは何でしたか?

ナカモ 市川様
ナカモ 市川様

これまで1分程度の動画を編集したことは数回あったのですが、10分程の動画を編集するのは初の試みでした。慣れない編集に悪戦苦闘し、10時間以上編集に時間をかけてしまいました(笑)

同時にYoutuberの方を心から尊敬しました(^-^;

イチビキ 西様
イチビキ 西様

両社長ともに熱い思いを込めることもあり、「豆みそLoversの会」の撮影は毎回長引きます(笑) ご紹介させていただいたお店様にも快くご協力していだだき、とても楽しく撮影しています。

今まで競合としてライバル意識を持たざるを得ないナカモさんでしたが、撮影の合間に社長の思いや考え、販促アイデアなどをお話していだだき、大変勉強になり有意義な時間となっております。

市川さん、競合同士が仲良くなりすぎたらこの先どうなるのでしょう?(笑)

動画撮影中の様子 両社社長による「味当て」チャレンジ、はたして成功したのでしょうか……? 気になる結果は動画にて!

―― 今回のコラボ動画について社内外でどのような反応がありましたか?

イチビキ 西様
イチビキ 西様

「面白い!」との声をいただきました。「すごい企画だね」「撮影に慣れていない感がむしろ良い」「社長にクイズやらせちゃうんだ」「応接室で撮った!?」などそれぞれの視点でたくさんの感想をいただきました。

まずは「なにこれ!!」と興味を持っていただきたかったのでその点では良いスタートを切れたかなと。 中村社長にも同業者の方から「素晴らしい企画」「すごいのやってるね」「SNSフォローして参考にさせてもらいます」などお声がかかっているようです。仲間に入りたいとのお声も。内作で編集している点もお褒めいただけました。

ナカモ 市川様
ナカモ 市川様

すごく面白かった!!とたくさん反響を頂きました。一般のお客様からすると意外な動画だったかもしれませんが、ナカモ社内ではイチビキさんと仲良くすることは社長問わず営業の社員もみんな普通のことでしたので、驚きというよりは「面白かった!」という反応でした。

「よく自分で編集したね」と褒めてくださる上司もいて嬉しかったです(笑)

―― 今後も両社ではコラボ動画などの企画を進めていく可能性はございますか?

ナカモ 市川様
ナカモ 市川様

もちろんあります!
「豆みそLovers会」はこれからも継続して投稿を続けていく予定です。社長がおススメするお店の紹介が揃ってきたら、「豆みそLoversの会」のおススメ店舗MAPを作ったり、一緒に他の企画もたくさんしていけたらいいなと考えています。

イチビキ 西様
イチビキ 西様

「豆みそLoversの会」を東海だけではなく全国の方に、豆みその魅力を発信し、豆みそLovers会員を増やしていきたいです。

この企画が広まった暁には、企画のきっかけとなった「つけてみそかけてみそ」「献立いろいろみそ」を取り扱いいただいているスーパーマーケットを巻き込みながら、例えば店頭で「つけてみそかけてみそVS献立いろいろみそ」どっち派企画をやってみたりするなど、あらゆる方法で味噌を盛り上げたいと考えています。

―― ありがとうございます。最後に両社社長から「豆みそ愛」と自社製品のアピールをぜひお聞かせください

イチビキ <br>中村社長
イチビキ
中村社長

家に帰ったときに食べる家内が作った味噌汁にかなうものはありません。だしのきいた赤だしを飲むとホッとします。一汁一菜で十分と思うくらい赤だしが大好きです。具は大根千六本、お揚げが入ったのがベスト。あさりもいいですね。

弊社の豆みそは渋さを抑えめに仕上げています。国産原料にこだわった「厳選国産生赤だし」こちらがおすすめです。ぜひだしをきかせたお味噌汁で飲んでみてください!

ナカモ<br>杉本社長
ナカモ
杉本社長

東京と大阪に挟まれた愛知県で、豆みそのような特別なお味噌が長年にわたって愛されてきて、しかも色々な味噌料理が生まれてきました。そんな特別な味噌文化があることをとても誇りに思うし、是非、残していきたいと思っています。

また自社製品のアピールとしては、弊社では「豆みそ」商品の中でも特に「名古屋味噌」がおススメです!愛知県産大豆フクユタカを100%使用し、大豆と塩だけで作った1830年創業からの知恵を最大限に詰め込んだこだわりのお味噌です。

豆みそならではの渋みや酸味が抑えられているのに、コクはしっかりと感じられるという、「豆みそ好き」はもちろん、「豆みそ初心者」の方にもおススメの商品となっております。

ライバルが手を取り合い「豆みそLovers」の拡大へ

名古屋人からすれば「ホントにコラボしたの!?」と驚き以外の何物でも無い「つけてみそかけてみそ」「献立いろいろみそ」のコラボ動画企画。その背景にあったのは、業界で手を取り合いながら盛り上げていこうという「豆みそ愛」にあふれた両社社長の強い思いがありました。

日常的に豆みそを食べる「豆みそ」文化圏は、全国の中でも東海エリアという狭い範囲に限られます。しかし「豆みそ」文化圏以外でも実は「豆みそ」を使っているケースは多く、最近では中華やフレンチのシェフたちも「豆みそ」をコクやうま味をプラスする隠し味として活用していることもあるといいます。今では「つけてみそかけてみそ」や「献立いろいろみそ」が名古屋のお土産として定着しているのも、その美味しさが名古屋圏以外の人にも伝わっている何よりもの証でしょう。

名古屋圏が誇る「豆みそ」の美味しさがもっともっと多くの人に知られるよう、両社社長による「豆みそLoversの会」の活動はこれからも続いていきます。動画は両社のYoutubeチャンネルで公開されますので、ぜひチャンネル登録してお見逃し無く!

ナカモ株式会社 公式Youtubeチャンネル

ナカモ つけてみそかけてみそ【公式】
「つけてみそかけてみそ」のナカモ株式会社 公式Youtubeチャンネルです。

イチビキ株式会社 公式Youtubeチャンネル

イチビキ株式会社【公式】
イチビキ株式会社の公式チャンネルです! 献立いろいろみそや塩糀(しおこうじ)等を使った簡単レシピやCM動画をご紹介します。
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この記事を書いた人
ナゴヤトコトン編集長

ナゴヤトコトンの発起人兼編集長。名古屋を毎日面白がっているうちに「こうなったらトコトン面白がってやろう!」とノリと勢いだけでWebマガジン「ナゴヤトコトン」を立ち上げた模様。
名古屋と名古屋めしが何よりの栄養源。好きな金鯱は名古屋城の金鯱。

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