2月3日は節分。名古屋でも各所で盛大に節分の豆まきイベントが開催されます。
名古屋の節分会で有名なのが「尾張四観音」。徳川家康が名古屋城を築城した際に、鬼門の方角にあたる荒子観音、甚目寺観音、龍泉寺、笠寺観音(笠覆寺)の4つの観音寺を鎮護とし定められたことが由来とされています。
尾張四観音の節分恵方は、「笠寺観音」→「龍泉寺」→「荒子観音寺」→「笠寺観音」→「甚目寺観音」と5年サイクルで回っており、2024年は名古屋市守山区にある「龍泉寺」が恵方となります。さらに今年の干支は「辰」。尾張四観音の節分恵方が5年で一巡するのに対し干支は12年で1サイクルですので、今年は60年に一度しかない「龍泉寺が辰年に恵方を迎える奇跡の年」なんです。
名古屋エリアでは「『恵方』にあたる尾張四観音の節分会に参拝すると御利益が多い」と言われていますが、60年に一度の奇跡の巡り合わせを迎える2024年の龍泉寺ならは御利益パワーもMAX間違いナシ! ということで、今回は60年に一度の奇跡の年を迎える龍泉寺の見どころと、龍泉寺に行ったらぜひ立ち寄りたい周辺スポットをまとめてご紹介いたします。
「辰年」×「節分恵方」、2024年最強パワースポットの「龍泉寺」は見どころが盛りだくさん!
龍泉寺へは大曽根駅から「ゆとりーとライン」がおすすめ
龍泉寺には駐車場がありますが、山門近くにある第一駐車場は15台、参道沿いにある第二駐車場は40台、公道に一番近い第三駐車場は35台といずれも多くありません。節分会当日は大変な混雑が予想されますので、公共交通機関で向かうのがおすすめです。
龍泉寺へ公共交通機関で向かう際には大曽根駅から出発する「ゆとりーとライン(名古屋ガイドウェイバス)」が便利。バスなのに高架区間は鉄道扱いという日本唯一の「ガイドウェイバス」システムで運行されるゆとりーとラインは、特に高架区間の眺望が大変素敵です。
龍泉寺の最寄りバス停は「竜泉寺口」または「竜泉寺」ですが、大曽根方面から乗車する場合には一つ手前の「小幡緑地駅」で降りてもOK。平面区間が含まれる「竜泉寺口」まで向かうと大曽根駅から320円かかりますが、高架区間のみの小幡緑地駅で下車すると運賃250円と70円もお得。小幡緑地駅から竜泉寺口までは徒歩3~4分でついてしまうぐらいの近さなので十分に歩いて行くことができます。浮いた70円はお賽銭にプラスして願掛けしちゃいましょう。
「ゆとりーとライン」は日中10分に1本程度のペースで運行されていますが、節分会当日は増発が予定されているとのことです。
「かいうんばし」で山門へ向かえば開運御利益アップ!?
小高い山の上にある龍泉寺の山門へと向かうルートは主に2つ。一つは小幡緑地駅・竜泉寺口バス停側から続く参道をえっちらおっちらと上るルート。そしてもう一つが第三駐車場側から「かいうんばし」の階段を上って向かうくルートです。
朱塗りの欄干に擬宝珠がついた「かいうんばし」は、階段を上って、平らな場所を進んで、また階段を上るというちょっと変わった形の歩道橋。山の木々に囲まれた「かいうんばし」を通っていくと、東門方面へとショートカットできます。
山門をくぐる前に弁財天様へのお参りを忘れずに
龍泉寺の仁王門のすぐ手前にあるのが「龍泉辯戝天」の境内。商売繁昌や芸能上達の御利益があるとされる辯戝天(弁財天)が祀られており、奉納された赤の幟が立ち並んでいます。本堂へ向かう前にぜひご挨拶しておきたい龍泉辯戝天。小さな境内なのでお見逃し無く。
国の重要文化財にも指定されている仁王門
龍泉寺の本堂へと続く仁王門は、1607年(慶長12年)頃に建造されたとされる古い木造建築の楼門。切妻屋根と寄棟屋根を複合した「入母屋造り」と呼ばれる建築様式は、各地の寺社や城郭などにも用いられてきた最も格式が高い形式です。。
昭和3年4月4日に国の重要文化財に指定された仁王門の両扉の脇にあるのが大きな木造の仁王像。猛々しい表情の仁王像は、今も昔も変わらず龍泉寺を訪れる参拝客を見守っています。
名古屋城よりも長い歴史を持つ「多宝塔」
仁王門をくぐって最初に目に入るのが多宝塔。もともとは大日如来像が祀られていましたが、長久手合戦の際に一度焼失。その後1598年(慶長3年)に現在まで続く多宝塔が復興されました。名古屋城の築城が始まったのが1610年(慶長15年)ですので、名古屋城よりも古い建築物ということになりますね。
龍泉寺の多宝塔は、江戸後期以降に位置が移され、明治年間には大修理が行われているとのこと。現在は阿弥陀如来が安置されています。日本近世初期の歴史を伝える貴重な遺構です。
多宝塔の正面にあるのが、お参り前に手を清めることができる手水場。水が出るところももちろん「龍」です。
龍泉寺のお参りは「拝礼し、柏手を打つ」のが作法
龍泉寺の本堂は1906年(明治39年)に放火によって焼失。その焼け跡を整理していたところなんと地下から100枚もの「慶長小判」が発見されました。この100枚の小判を基金として1911年(明治44年)に再建されたのが現在の本堂。本堂では厄除や開運の御利益があると言われている馬頭観音が祀られており、昔と変わらず参拝客からの信仰を集めています。
お寺への参拝は一般に「合掌してから一礼」と言われていますが、龍泉寺の参拝の際には「拝礼し、柏手を打ってお参りする」のが習わしとのこと。天台宗の古刹である龍泉寺ならではの作法です。
御真言は「オンアミリ トドハバウン バッタソワカ」。拝礼の際には、御真言を唱えながら心の中でお願い事を念じましょう。
「あしたはきっと幸せになる鐘」を撞いて新しい自分に
本堂の左手にある「鐘楼堂」も龍泉寺の見どころポイント。1907年(明治40年)に再建された鐘楼堂ですが、鐘は第2次大戦中に供出。現在は、1959年(昭和34年)に近郷の有志の方々によって「平和の鐘」として寄進され、日々、平和の鐘の音を響かせています。
龍泉寺鐘楼堂の鐘は参拝した方なら誰でもつくことが可能(一打拾円)。「平和の鐘」は「幸福の鐘」とも呼ばれており、悩み事、辛い事、悲しい事など、いろいろな思いを背負った方が幸福の鐘をつく事で心の重荷が少しでも軽くなってほしいとの願いが込められているそうです。鐘楼堂で鐘をついて祈りを捧げれば、「次の私に」、すなわち新しい自分になって帰ることができるでしょう。
金鯱が光る「龍泉寺城」にはお宝がいっぱい
龍泉寺の境内の奥にある「龍泉寺城」は、1556年(弘治2年)に織田信長の弟である織田信行によって築かれた名古屋市守山区唯一の城。現在の城は1964年(昭和39年)に復元されたもので、屋根の上には立派な金鯱を見ることができます。
現在の龍泉寺城は宝物館として多数の寺宝が展示。1676年(延宝4年)に龍泉寺を訪れた円空の作と伝えられている円空一刀彫の馬頭観音・天照皇太神・熱田大明神や千体仏、鎌倉時代の地蔵尊や阿弥陀如来像など貴重なお宝の数々を間近で見ることができます(日曜・祝祭日の午前9時から午後3時まで開館、展望台と合わせて拝観料100円)。
名古屋~尾張北部を一望できる展望台
龍泉寺城とともに見ておきたいのが展望台。庄内川に向かって名古屋駅周辺から春日井などの尾張北部一帯を一望することができます。天気がよければ名古屋駅のビル群や一宮の138タワーも見ることができ、さらには金華山の山頂にある岐阜城の姿も肉眼で確認することが可能。足下に流れる庄内川と雄大な尾張平野の景色は圧巻の一言です。
【1/25追記】
名古屋で活躍するVTuber「裏名古屋奇譚」のレッドくんと龍堂院名千さんのお二人が龍泉寺紹介動画を公開していました!
せっかくなら一緒に立ち寄りたい龍泉寺周辺のおすすめスポット2選
せっかく龍泉寺に参拝するなら、近隣のオモシロスポットも一緒に立ち寄るのがおすすめ。筆者厳選の「龍泉寺から徒歩で行ける楽しいスポット」を2つご紹介します。
気軽にショートコースを楽しめる 竜泉寺ゴルフ場(龍泉寺から徒歩10分程度)
県道15号線に沿って志段見方面へと10分ほど歩いた所にあるのが「竜泉寺ゴルフ場」。名古屋界隈のゴルファーたちが日々腕を磨く「打ちっぱなし」のゴルフ練習場です。
この竜泉寺ゴルフ場は名古屋市内唯一の「ショートコース」が併設されたゴルフ練習場。竜泉寺ゴルフ場のショートコースは全てパー3の6ホールで構成されており、短いホールは25ヤード、長いホールでも130ヤードなので、ゴルフ初心者でも「パターゴルフ+α」の気分で気軽に楽しむことができます。
ゴルフと聞くと「しっかりゴルフウェアに身を包んで、専用のシューズを履いて……」というイメージがありますが、竜泉寺ゴルフ場のショートコースは動きやすい服装+スニーカーでOK。ゴルフクラブも無料で貸し出してもらえるので、龍泉寺に参拝した後で手ぶらで行って楽しむこともできちゃいます。
距離が短いのでお子さんや女性、全くのゴルフ未経験者でも楽しめる竜泉寺ゴルフ場のショートコース。ゴルファーの方ならアプローチの腕を磨くのにもぴったりです。
ここが名古屋の別天地 天空スパヒルズ 竜泉寺の湯 名古屋守山本店(龍泉寺から徒歩4~5分)
竜泉寺ゴルフ場と龍泉寺のちょうど間にあるのが「ここは名古屋の別天地~」のCMでもお馴染みの「竜泉寺の湯」。日本初めての「スーパー銭湯」としても知られています。
あまり知られていませんが、竜泉寺の湯は名古屋市内では最も標高が高い位置にある天然温泉。1989年に開業した「竜泉寺の湯」は、2018年に全面リニューアルしてスケールアップ。名古屋の夜景を存分に楽しめる天然温泉の「展望露天風呂」はもちろん、竜泉寺の湯自慢の炭酸泉に浸かれば龍泉寺界隈の散策でたまった疲れもひとっ飛びです。
また、館内ではロッジ風の室内で岩盤浴や読書などを楽しみながらゆったり寛げる時間無制限の大人の癒し空間「forest villa」や、名古屋めしも盛りだくさんな100種類以上の料理が楽しめる「湯あがりキッチン 一休」などののんびりできる施設も充実。さらに地下1階に新設されたプレミアムロッジでは宿泊も可能。宿泊ゾーンには女性専用エリアもあるため、女性でも安心して泊まることができます。
2024年の節分は、奇跡の巡り合わせを迎える「龍泉寺」が御利益最強!
「辰年」に「節分恵方」が重なる60年に1度の奇跡の巡り合わせの年を迎える龍泉寺は文句のつけようがない2024年の名古屋最強パワースポット。今年の節分である2024年2月3日は土曜日のため、参拝に向かいやすいことも大きなポイントです。
龍泉寺の節分会では御祈祷を受けた参拝者による豆まきが開催されるほか、夕方に行われる「福木・福餅投げ」も恒例行事。福木や福餅を授かった方は一年「福」が訪れるといわれていますが、「辰年×恵方」の今年ならその御利益も60倍ある……かもしれません。
ちなみに龍泉寺で「辰年」と「恵方」が重なるのは60年に1度ですが、さらに「土日」が重なるのは何と300年後の2324年2月3日。一生に一度しかない超激レアな巡り合わせ、節分会当日に行けなくてもぜひ2024年中に一度は参拝するのがおすすめです。