名古屋らしい滋味深い味わいの中華そばでした
大須商店街の東エリア、万松寺すぐ近くにある「浅ひろ本店」は、昭和27年創業の老舗麺類食堂。いつも多くのお客さんで賑わう大須の人気店の一つです。
「浅ひろ本店」は「将棋めし」としても有名。藤井聡太八冠(当時五冠)が2022年7月に万松寺で行われた棋聖戦第4局の際、お昼ごはんとして「えび天親子入りみそ煮込うどん」を注文したことでも知られています。
ちなみにこの日の藤井棋聖は「えび天親子入りみそ煮込うどん」を食べて見事対局に勝利。10代最後の対局を勝利で収め、タイトル防衛も果たしました。
見た目は濃い目が味はまろやか 名古屋の王道「中華そば」
藤井八冠も将棋めしとして選んだ味噌煮込みと並んで「浅ひろ本店」の名物となっているのが、今回ご紹介する「中華そば」。これをお目当てにお店を訪れるお客さんも多い、長年愛され続けてきたメニューです。
「昔ながらの……」とキャッチフレーズがつく浅ひろ本店の中華そば。濃い目のつゆにねぎ、メンマ、モヤシ、大きなチャーシューが1枚載った、そして朱色が美しい「名古屋かまぼこ」スタイルが載ったスタイルは、これぞ名古屋の王道中華そばという趣を感じさせます。
麺は細目の縮れ麺。食感といい風味といい、中華そばらしさ満点の味わいです。
真っ黒にも感じるほど濃い色のスープもまた、名古屋の麺類食堂で提供される中華そばにはよくあるスタイル。一見塩辛そうに見えますが尖った塩辛さは一切なく、むしろまろやかで旨味をしっかりと感じられる滋味深い味わいとなっています。
「色が濃いのに、まろやかで旨い」スープは、名古屋人が好む「たまり」のなせる技。一般的な醤油よりも塩分が控え目で、大豆由来の旨味成分が豊富に含む「たまり」を使うコトで、名古屋らしい「旨味が濃い=滋味深い」スープが出来上がります。
また、浅ひろ本店の中華そばも鶏の旨味を感じるもの。名古屋の麺類食堂は味噌煮込みなどにも鶏の出汁を使うことが多いため、中華そばにも鶏系のスープを使いやすいんです。脂っ気控え目のスープだからこそ味わえる滋味深さ、〆にご飯を入れてかっこみたくなる美味しさです。
「浅ひろ本店」の中華そばを味わいに行くには
「浅ひろ本店」は大須・万松寺のすぐ近く、新天地通から少し入った路地の先にあります。地下鉄名城線・鶴舞線上前津駅からが便利ですが、地下鉄鶴舞線大須観音駅からも徒歩圏内です。
お店の公式ホームページはありません。メニューはこちらからご覧下さい。