デイリーナゴヤト

名古屋の演劇拠点となる新劇場「体現帝国館」が内田橋にて2025年春より開館 こけら落とし公演「見えない青髭公の城」が4月~6月の毎週土曜夜にロングラン公演で開催【内田橋】

2008年より愛知県を中心に「見たことのない世界の創造」をテーマに活動を続けてきた劇団「体現帝国」が、常設の活動拠点となる専用劇場「体現帝国館」を名古屋市南区・内田橋に開設。2025年4月から6月にかけて、こけら落とし公演として『見えない青髭公の城』がロングラン公演される運びとなりました。

そこで今回は、公演に向けた準備が進められている「体現帝国館」を現地取材。内田橋商店街の協力も得て誕生する名古屋の新たな演劇拠点を紐解きます。

名古屋ではもちろん、全国的にも珍しい専用劇場「体現帝国館」

今回内田橋に誕生する「体現帝国館」は劇団「体現帝国」の専用劇場。劇団が専用の劇場を構える事は、名古屋ではもちろん、全国的にも決して多くはありません。しかし、劇団「体現帝国」を主宰する演出家の渡部剛己さんによると「作品の完成度を高めるため」に自前の劇場を整備する決断に踏み切ったそうです。

劇団「体現帝国」主宰 渡部剛己さん

演劇を上演する際には様々な場所を借りて行うことが一般的ですが、稽古や作業は本番とは別の場所を手配する必要があり、場所が手配できたとしても本番と同じ環境で稽古することが極めて難しいという制約が生じてしまいます。

しかし、自前の劇場があれば、本番と同じ環境で稽古ができることはもちろん、舞台装置を準備する作業場としても使えるため、演劇を創作していく上での制約を大きく減らすことができます。「専用劇場を構える事で稽古や作業にかかる制約を減らし、トップクラスのクオリティを見せることができる」と渡部さんは話します。

「体現帝国館」の準備期間中には実験的な公演も開催し、この劇場で実現出来ることを模索

内田橋商店街の協力により専用劇場が実現

専用劇場を構えるにあたり、渡部さんが重視したことが「アクセスの良さ」と「天井高の高さ」。この条件に合致したのが内田橋商店街の南側にある一つの建物でした。

大シャッターを開けた状態の「体現帝国館」 シャッターも演出に活用

以前は倉庫として使われていたこの建物は、天井高が4.4mと非常に高いのが特徴。これにより、高いところに照明を設置することが可能となり、演劇の世界により深く没頭することができます。建物に備え付けられた大シャッターも演出として活用可能。さらには、床がコンクリートのため、従来のように借りるスペースでは難しかった「水を合わせた演出・パフォーマンス」も行えるようになったと言います。

実験的な公演として開催された「渡部剛己と暴れる夜『喧嘩上等』」

また、今回の建物がある内田橋商店街エリアは地下鉄名城線と名鉄常滑線が近くを通り、名古屋駅・栄・金山方面からのアクセスも比較的良好。名古屋エリアの人たちはもちろん、全国の演劇ファンたちも足が運びやすい場所であることに加え、近隣に熱田神宮や七里の渡しなどの観光スポットも充実しているため、演劇とともに観光も楽しんでもらえることも決め手になったそうです。

内田橋商店街のすぐ近くにある七里の渡し跡 晴れた日の夕方には往時を偲ばせる光景が広がる

内田橋商店街も「体現帝国」が専用劇場開設を目指す動きに協力。内田橋商店街も「体現帝国館」で行われる演劇などの上演を通じて様々な地域から内田橋に足を運んでもらいたいと考えており、専用劇場開設のファーストステップとなる建物を借りるところから様々なバックアップやサポートを行っています。

内田橋商店街では6月に「まきわら祭」、11月に「内田橋祭り」という大きなお祭りが開かれており、今後は「体現帝国館」でも連携したイベントの開催等を検討しているとのこと。商店街と劇場が協力しあうことで、内田橋エリアの活性化に繋がっていくことが期待されています。

4月5日よりこけら落とし公演「見えない青髭公の城」をロングラン上演

およそ1年の期間にわたり準備を進めてきた専用劇場「体現帝国館」。そのこけら落とし公演となる「見えない青髭公の城」が4月5日より3ヶ月間にわたりロングラン上演されます。

「見えない青髭公の城」はグリム童話『青髭』を元に創られる童話と現代が重なるダークメルヘン劇。稽古や作業を本番を行う劇場で行ってきた今回の公演は、従来の公演とは一線を画した高い完成度が期待されます。

■見えない青髭公の城 (公式Webサイトより)

青髭公の城にやってきた盲目の少女ユディット。
「見ること」「見えないこと」「見過ぎてしまったこと」「見てはいけないこと」「見せてくれないこと」「見たくないこと」「見せられてしまうこと」
『見る』をテーマに演劇の魔法をふんだんに織り交ぜて劇は展開する。
この日、“倉庫”は“劇場”となり、“劇場”は“青髭公の城”となり、“青髭公の城”は私たちのよく知る“日本”となる。

こけら落とし公演「見えない青髭公の城」は、4~6月の毎週土曜日の夜 19 時 30 分に開演。3ヶ月もの期間にわたりロングラン上演できるのも常設の専用劇場ならではのメリットです。また、各日の公演終了後には、劇場で打ち上げ会も開催予定とのこと。これも専用劇場だからこそできることです。

また、本公演1ヶ月前となる3月1日には試演会『まだまだ見えない青髭公の城』も開催。本公演に向けてさらなるクオリティアップを目指す、実験性の高い挑戦に立ち会えるまたとない機会です。

こけら落とし公演「見えない青髭公の城」及び試演会『まだまだ見えない青髭公の城』の詳細やチケット購入方法は公式Webサイトをご覧下さい。

体現帝国 第十二回公演『見えない青髭公の城』特設サイト
体現帝国 第十二回公演「見えない青髭公の城」の特設サイトです。

こけら落とし公演終了後は他の劇団などへの貸し出しも予定

劇団「体現帝国」の専用劇場「体現帝国館」は、こけら落とし公演が終了した後は他の劇団等へも稽古場兼作業場として貸し出しを行うとのこと。稽古場・作業場として借りる場合には24時間利用できるようにするとのことです。

さらに将来的には劇団「体現帝国」との提携公演の形でイベントスペースとして芸術関係者への貸し出しも進めていくとのこと。提携公演に当たっては、東京・大阪をはじめとした全国の若手劇団が「体現帝国館」で新しいチャレンジができるように準備が進められています。”体現に行けば面白いものが見られる”という形に育てていきたいと渡部さんが話されていたのが印象的でした。

内田橋商店街とともに歩み始める新劇場「体現帝国館」。”芸どころ 名古屋”に新たな1ページが加わります。

劇場「体現帝国館」に行くには

「体現帝国館」は内田橋商店街の少し南側に開設。公共交通機関では、地下鉄名城線『熱田神宮伝馬町』駅から徒歩10分程度、名鉄常滑線『豊田本町』駅からは徒歩6分程度で到着できます。東京駅・大阪駅からもおよそ2時間ほどで到着可能とのことです。

公演情報などは劇団「体現帝国」公式Webサイトにてご確認ください。

体現帝国
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ナゴヤトコトン編集長

ナゴヤトコトンの発起人兼編集長。名古屋を毎日面白がっているうちに「こうなったらトコトン面白がってやろう!」とノリと勢いだけでWebマガジン「ナゴヤトコトン」を立ち上げた模様。
名古屋と名古屋めしが何よりの栄養源。好きな金鯱は名古屋城の金鯱。

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